No.107 江戸しぐさ
お元気ですか?
土曜日(3.31)の「春の嵐」も凄かったですが、火曜日(3日)の「爆弾低気圧」には本当にビックリでしたね! 「風速25m」という予報が出ていたので「臨時休業」の4文字も頭をよぎりましたが、営業時間外に使用している防犯ガラス製のサッシを活用することを思いつき、3坪の小さいお店は吹き飛ばされることなく通常通り営業することが出来ました。 そんな悪天候だったにも関わらずご来店下さったたくさんの方々には「有難い」という言葉しか思い浮かびません!
皆さんは「江戸しぐさ」という言葉をご存知でしょうか。
ほんの少しだけ相手を思いやるしぐさです。
いくつかご紹介すると…
「こぶし腰浮かせ」
乗合船などで後から来る人のためにこぶし一つ分腰を浮かせて席を作ること
「肩引き」
人ごみですれ違うとき、お互いに肩を引いて体を斜めにして通り過ぎること
「傘かしげ」
雨の日に往来ですれ違うとき、お互い傘を外側に傾けること
これ以外にもたくさんの「江戸しぐさ」があります。
それに比べ、現代の「平成しぐさ」はどうでしょう。
私がコンビニをよく利用することは以前にもお話しさせていただきましたが、コンビニ1つ利用するにしても「しっかりしろよ!日本人!!」と思うことが多々あります。
例えば…
コンビニに入る時、後ろからもう1人来たならば、ほんの少しだけドアを支えてあげれば後ろの人もスムーズに入れるのに知らんふり…。
自分が店から出る時も入って来る人がいるならば、自分が出た後に開けたドアをほんの少し支えてあげるだけでスムーズに入れるのに知らんふり…。
入る人と出る人とが同時になった場合は「出る人が優先」なのにお構いなし…。
子供の頃、遠足で東京に行ったことがありました。電車を利用した時に下りてくる人を掻き分けて「我先に!」と飛び乗ってしまい先生にこっぴどく怒られた思い出があります。
恥ずかしながら私はその時初めて「降りる人が先」ということを知りました。
今でも電車に乗るとあの時の先生の顔を思い出します。
ATMを利用するときでも、次に待っている人がいたのなら軽く頭を下げてから通り過ぎるものだと思います。
時間がかかりそうなら「お先にどうぞ」の思いやりも欲しいものです。
先日、ATMを利用しようとしたら二十歳前後の女性が慌てて店内に入ってきて私の後ろに並んだので「先にいいよ!」と順番を譲ると女性は「有難うございます!」と嬉しそうにATMを利用し始めました。
しかし、用が済むと頭一つ下げずにそのまま店を出て行ってしまいました。
決して頭を下げてもらいたくて順番を譲ったわけじゃありません。
皆さんも車を運転している時に道を譲ることがあると思います。
その時だって「お礼を言われたいから」ではないですよね。
でも、何気なくお礼の意を込めた「ハザード点滅」をチェックしませんか?
もし、点滅しなかったら気分は良くないですよね。それが「人間の感情」だと思います。
震災時、世界中の人たちは被災された方々が争うこともなく順番を守って配給を受けている姿を目にして感銘を受けたという話を聞いたことがあります。
確かに多くの日本人は「心」を持っているとは思います。
でも、最近の私にはその「心」が見えない場面が多過ぎるのです。
遠くから見るとあれだけ美しい富士山が世界遺産に登録されない理由は大量の「ゴミ」が原因だと聞きました。 心無い登山者たちのちょっとした行動の積み重ねが招いた結果だと思います。
私たち日本人までもが「遠く(海外)から見れば美しく、近く(国内)で見れば無残な姿」に成り下がらないためにも、今よりほんの少しだけ「思いやり」の気持ちを持って過ごしていきたいものです!
ではまた!!