No.217 平凡
お元気ですか?
「梅雨入り宣言」が出たと同時に関東地方は連日の雨・雨・雨…。
宇都宮では4日連続で雨が降っており、今日も午後から雨の予報が出ています。
「梅雨だから仕方がない…」と思う反面、「いくらなんでも降りすぎだろっ!」とイライラモードに突入気味です。
しかし、降りしきる雨の中、傘を差しながらもご来店下さるたくさんの方々を目にすると、普段にも増して「有難い」という思いが心の底から湧き上がってくるものです。
でも、やはり申し訳ない気持ちになり、「いつかはドライブスルー方式のお店に出来ればいいなぁ~」と思ってしまう今日この頃なのであります…。
先日、定休日を利用して友人と釣りに行ってきました。
何年か前のブログでもお話しさせていただいたことがありますが、年に一度の「恒例行事」として、毎年この時期に福島県の桧原湖(裏磐梯)へバスフィッシングに行っています。
昨年は「競技ゴルフ」に夢中だったので、行くタイミングを逃してしまい、2年ぶりの「裏磐梯釣行」となりました。
釣りをやられる方ならお分かりかと思いますが、魚が一番釣れる時間帯はなんといっても
「朝方(朝まずめ)」と「夕方(夕まずめ)」です!
特に「朝」はゴールデンタイムと言っていいほど魚の活性が上がりまくります。
いつも利用しているボート屋さんは「朝5時オープン」なので、オープン時間に合わせて受付を済ませ、「我先に!」とアングラーたちは湖へと出て行きます。
友人は「自宅で仮眠を取ってAM2:00の出発」を希望しましたが、車を出すことになっていた私は「寝ぼけ眼」で運転することに危険を感じ、「早めに出て行って現地で仮眠を取ろうぜぃ!」とゴリ押ししました。
友人は私の意見を受け入れてくれ、PM10:30に出発し、2時間ちょっとで現地に到着!
コンビニの駐車場に車を停め、私はビール、友人は梅酒で乾杯し、飲み終わると車のシートを倒し、間もなく眠りにつきました。
4時30分にセットしたスマホのアラームで目が覚め、体を起こすと…
「なんだこの全身の痛さは!」
寝返りを打つことも出来ず同じ体勢で寝ていたので肩はガッチガチ…。
肩だけではなく全身がガッチガチ状態!
3時間という「超睡眠不足」でダブルパンチ。
とどめは、「目覚めの儀式」として自宅では毎朝必ず浴びている熱いシャワーもなくトリプルパンチ…。
頭も体もダルダルの「ノックアウト寸前の状態」でなんとかボートに乗り込みました…。
そんな状態でも乗ったら乗ったで、湖上を切り裂くエンジン音やヒンヤリと冷たい朝の空気、そして何より、何度見ても心奪われる「絶景」にテンションが上がりました。
「お気に入りのポイント」に到着するとエンジンを停めフィッシングスタート!
やはり「朝まずめ」はゴールデンタイムと呼ぶにふさわしく、2時間で7匹と絶好調!
「今日はこのまま釣れまくりかぁ~!」なんて思っていたら、8時を過ぎた頃から魚の反応がピタリと止まってしまいました…。
「仕方ない…。昼間はのんびりやって『夕まずめ』からまた気合を入れ直すかっ!」とひとまず気持ちをフラットに戻しました。
一方、友人は只今「バス釣り命」なので、次から次へとポイントを変え、あの手この手で休むことなく釣り続けていました。
私は「お昼寝タ~イム!」と宣言し、友人の「血眼姿」を見ながらウトウト…。
でもちゃんと寝むれないのです。
仰向けになってもボートは凸凹していて背中は痛いし、その日は風があり、結構な波でボートがグラグラ揺れまくり…。
ウトウトしては起き、ウトウトしては起きを繰り返しているうちに山上湖特有の強い日差しに総攻撃され、気がつけば顔が真っ赤!
それでもボート屋さんが閉店するPM5:00まで湖上に浮かび続けました。
結局、私が10匹、友人は20匹以上の釣果を上げました。
帰る途中、強烈な日焼けの痛さに耐えられず、コンビニで冷えピタ君のような「冷却シート」を買い、顔中に貼って運転しました。 (顔がデカいので6枚も貼れました!「我ながらアッパレ!」)
地元に戻ってきて一緒に晩飯を食べてから家に帰りました。
風呂から出て時計を見るとまだ9時ちょっと過ぎでしたが、体も疲れていたので息子が寝る時間に合わせて一緒にベッドに入りました。
その時です…。
何とも言えない心地良い感覚が体中にブワァ~ッと広がり、全身の力が抜けていくのが分かりました。
「ベッドで寝られるって幸せだなぁ~」
思わずそんな一言が出てしまいました。
妻と息子はキョトンとした目で私を見つめていましたが、私は目を閉じるとそのまますぐ爆睡してしまいました。
日頃は何も感じなかったことが、非日常的なことがあると「フッ」と感じることが出来ます。
普段は「当たり前」と思っている何気ないことが、「幸せなこと」だと実感できる時があります。
東日本大震災の時もそうでした。
ほんの2,3週間でしたが、計画停電やガソリン不足でそれまで味わったことのない不自由さを体験し、何気なく過ごしていた日常が「幸せ」なことだと実感しました。
皆さんも変化のない「平凡な毎日」が続くと退屈とさえ感じることがあるかと思います。
でも、平凡に過ごせる毎日こそが「幸せの源」なのかもしれません。
そういえば、20代の頃に読んだ星野 富弘さんの詩画集にこんな言葉がありました…
今日も一つ 悲しいことがあった
今日もまた一つ 嬉しいことがあった
笑ったり 泣いたり 望んだり 諦めたり 憎んだり 愛したり…
そしてこれらの一つ一つを
柔らかく包んでくれた
数えきれないほど沢山の
平凡なことがあった
ではまた!!