No.239 持久走大会
お元気ですか?
「年末ジャンボ宝くじ」や「年賀状」も発売され、いよいよ2014年も残すところ1ヶ月ちょいとなりました!
「終わり良ければ全てよしっ!」
残りの1ヶ月を有意義に過ごして気持ち良く2015年を迎えたいものですねっ!
先週、息子が通う小学校で毎年恒例の「持久走大会」が行われました。
3年生の我が息子は2年連続で「第8位」とベスト10入りしていますので私としては満足していたのですが、息子はどうしても6位以内に入って賞状をゲットしたい様子でした。
大会前夜、仕事から帰り、お風呂に入ると風呂場の鏡には「ぜったいに6位になる」と指で書かれた「決意」がうっすらと残っていました。
当日の朝も「お父さん…オレ6位に入れるかな~」と自信と不安を半々に漂わせながら話しかけてきました。
私はリラックスさせる意味も込めて「今までが8位だから6位になったらスゴいけど、お父さんは順位のことはあまり気にしないよ。何位になったとしても走り終わった時に『精一杯頑張った!』って思えればそれで良いと思うぞ!」
息子は黙ったまま頷きました。
玄関先で「お父さんのパワーを分けてあげっから!」と息子を抱き締め、「走っている時はお前だけが苦しいんじゃない。みんなも同じように苦しいんだってことを忘れるなよ!」と声をかけると「分かったっ!!」と元気良く玄関を飛び出していきました。
店で仕事をしていると、応援に行っていた妻からLINEが入りました。
「スゴく頑張ったよ!6位だったよ!!」
私は思わずガッツポース!
正直、「6位は無理だろ~」と思っていたので嬉しさ倍増!!
きっと今年から野球部に入ったので基礎体力がついたからだと思います。
家に帰り、知らないふりをして「どうだった?」と聞くと、息子は嬉しさを抑え、わざと冴えない顔をしていました。その演技に応え、「ダメだったか~」とガッカリした顔を見せると、息子は表情を一変させ「お父さん!オレ6位だったよ!!!!」と飛び上がって踊り出しました。
私は朝の「パワー注入」よりも強く息子を抱き締め「苦しかったろ~。よく頑張ったな!」と言葉をかけると、「うんっ。途中で歩きたくなった。でもみんなだって同じなんだと思って最後まで走ったよ」と耳元でつぶやきました。
風呂から出て、ビールを飲みながら上機嫌な息子の話を聞いていると「なに!?」と聞き直すほどの話が飛び出してきたのです!
スタート直後に息子は誰かとぶつかって転んでしまったそうです。
すると、前を走っていたR君が駆け寄り、倒れていた息子に「大丈夫?」と手を差し伸べたというのです。
R君はすぐ近所に住んでいて、登校班も一緒。運動神経が良く、短距離も長距離も得意で野球部でもレギュラーとして活躍しています。
持久走大会でも常に上位で、本人も今年は「優勝」を狙っていたのではないかと思います。
そんな子がわざわざ転んでいる息子に駆け寄って手を差し伸べたのです。
一緒に聞いていた妻も驚き、感動のあまり目に涙を一杯溜めていました。
翌日、野球部の試合があったので息子を学校まで送っていき、Rくんのお父さんにそのことを話すと「えっ!そんなことがあったんですか?」と全く知りませんでした。
普通、子供なら「今日は○○君が転んだから助けてあげたんだ!」と自慢げに手柄話をするものですが…
私の感動は3日経っても冷めやまず、どうしてもこの出来事を伝えたくて朝イチで小学校に電話を入れました。
校長先生に繋いでいただき、しっかり伝わるように話をしました。
そして最後に「漢字が書けたり計算が出来たり、確かにそれも大切かもしれません。でも、本当に大切なのはこういうことじゃないでしょうか。こういうことは教えてもなかなか出来るようなことじゃありません。どうか、担任の先生にも伝えていただき、みんなの前で褒めてあげてほしいのです」
校長先生は少し声を詰まらせながら「分かりました。そんな児童が我が校にいることを誇りに思います」とおっしゃってくれました。
もし、そんな状況になったら皆さんはどうしますか?
自分の事は後にして手を差し伸べることが出来るでしょうか?
私なら「ザマミロッ!」と倒れている奴を踏んづけてでも前へ前へと走り続け、1つでも上の順位を狙います…。
万が一、助けたとしてもそれをあっちこっちで自慢げに語るでしょう…。
9歳の子供から、人として「大切なもの」、男としての「美学」、そんなものを心底教えられた気持ちがしますし、息子にとっても、色褪せることのない「幼き日の思い出」としてずっとずっと心を温め続けてくれると思っています。
ではまた!