• 店長

No.91 皮のからあげ物語

お元気ですか?

NHK紅白歌合戦の出場メンバーも出揃い、いよいよ年の瀬を感じてきましたね!

今年は我が心の師「長渕 剛」が8年ぶりに出場するので今から楽しみにしています。

多分、歌う曲は震災復興への応援ソングとしてリニューアルした 「TRY AGAIN for JAPAN」になるのと思いますが、個人的には東日本大震災によって犠牲になられた方々への鎮魂歌として「CLOSE YOUR EYES」、もしくは逆境から這い上がるための応援歌として「HOLD YOUR LAST CHANCE」を選曲していただき、長渕ワールドの奥深さを存分に魅せてほしいのですが…。

私が風邪っぴきの真っ只中だった2,3週間前のことになりますが、閉店間際に1人の女性がご来店されました。

私は揚げ場で調理していたので会話のやりとりはよく聞こえなかったのですが、どうやら「皮のからあげ」に対してのやりとりのようでした。

「皮のからあげ」はからあげを揚げながら剥がれた皮を集めて90gになると 1パック(¥120)で販売させていただいております。

食感が良く、味もしっかりついているのでおつまみにはもちろん、おやつにも最高の1品なのですが、1日に出来る量が限られておりますのでお電話でのご予約もご遠慮いただいているのが実情です。

女性がご来店された時はまだ半分ぐらいしか入っていなかったため、スタッフが「皮のからあげ」について説明をしていました。

それでも女性は「ある分だけでも売ってもらえませんか…」とおっしゃったそうです。

実際、そういったご要望は頻繁にあり、大変有難いことなのですが、値段も付けにくいですし、1人の方にその対応をしてしまうと他の方にも…ということになりますのでご理解をいただいております。

女性もなんとか理解してくださったようで他にご注文いただいた商品が出来上がるのを待つために車に戻られました。

その後、スタッフがうつむいていたので、手が空くと接客スペースに入り「どうした?」と聞くと…

「息子さんが風邪をひいていて、『何が食べたい?』って聞いたら『鳥亀の皮の唐揚げが食べたい!』って言われたので買いに来られたようです。」

私は間髪入れずに「よし!これはあげよう!」とまだ途中だった皮のからあげのパックに輪ゴムをかけ、他の商品が出来上がったので呼び出しベルを鳴らしお呼びしました。

女性はまだガッカリしたような表情で車から歩いて来られましたが、「これ息子さんに食べさせてあげて下さい!」とお渡しすると「えっ!!いいんですか?…有難うございます 息子が喜びます 本当に有難うございます」と目を潤ませて喜んでくださいました。

「これを食べて早く元気になってねと伝えて下さい」

「伝えます 本当に有難うございました」

「お大事にして下さい」

早く息子さんに食べさせたかったのでしょう。女性は足早に店を後にされました。

私にもスタッフにも息子がいるので気持ちが痛いほど分かりました。

「こういう時にマニュアルはいらないべ!」と言うとスタッフも「そうですね!」と嬉しそうでした。

しばらく経ったある日の夜、揚げ場にいると小窓からスタッフに「店長!」と呼ばれたので揚げ場から覗くと小学2、3年生の男の子がお母さんに耳打ちされ…

「店長さん、この前は皮のからあげありがとっ!」と元気な声で言われました。

私は咄嗟に思い出し、お母さんを見るとあの時の女性でした。

「おぉ~ぼくだったのか!風邪は治ったかい?」

「うんっ!」

「そうかそうか!お母さんが買いに来てくれた時は店長さんも風邪をひいていたんだけど、おじちゃんだからまだ治らないんだよ!」

「早く治してね!」(この一言に思わずウルッ…)

「ありがとっ!また来てね!」

「うんっ!」

私はもちろん、会話を聞いていたスタッフ達もみんな笑顔、お母さんも男の子も笑顔。

寒い夜でしたが、その時はお店が暖かい空気に包まれました。

なんとなく私が幼かった頃に似ていたあの子の笑顔は、昨年の大空ちゃん(当時 小学2年生)からの「お手紙」と同じく、忘れることの出来ない「大切な思い出」の1つになることでしょう…。

ではまた!!

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